治療

B型肝炎の治療

B型肝炎の治療

B型肝炎の治療|いしい内科・糖尿病クリニック|岩手県盛岡市

いしい内科・糖尿病クリニックでは、B型肝炎の治療を積極的に行っています。
現在、いしい内科・糖尿病クリニックのB型肝炎治療はエンテカビルかベムリディ®のいずれかで治療します。現在治療中の方はエンテカビルを継続して処方します。新たに治療を開始する場合、ベムリディ®を第一選択と考えています。

B型慢性肝炎の治療対象

B型慢性肝炎の治療対象

慢性肝炎症例の治療対象は、ALT値31U/L以上HBV-DNA量3.3Log/mL以上です。

B型肝硬変の治療対象

肝硬変に進行した場合、治療対象はHBV-DNAが陽性であれば治療対象です。

B型肝炎の「抗ウイルス治療」は、医療費助成を受けることができます

B型肝炎に行われる「抗ウイルス治療」は高額医療となりますが、現在、厚生労働省と各都道府県では、「抗ウイルス治療」に対する医療費助成を行っています。申請を行うことで、治療費の自己負担を軽減することができます。

いしい内科・糖尿病クリニックでは医療費助成の申請手続きをお手伝いいたします。

☞必要書類一覧表

☞肝炎治療受給者証(核酸アナログ治療)認定に係る診断書(新規)

B型肝炎治療の目標

B型肝炎ウイルスの量を抑えて、鎮静化を目指します

B型慢性肝炎治療の目的は、肝硬変や肝がんの発症を防止することです。
そのために、B型肝炎ウイルスの排除を目指しますが、現在の最先端の治療でもB型肝炎ウイルスを完全に排除することは簡単ではありません。
そのため、B型肝炎ウイルスが体内で増えるのを抑えて、鎮静化を目指します。

B型慢性肝炎の治療を開始するかどうかは、検査を行って肝臓の状態やウイルスの活発さを判断し、治療が開始されます。
治療は肝機能を正常に保つこと、B型肝炎のウイルス量を陰性化させることを目標として治療を続けていきます。

抗ウイルス治療

核酸アナログ製剤(飲み薬)

B型肝炎ウイルスの遺伝子を作っているDNAの合成を阻害して、B型肝炎ウイルスが増えるのを抑制します。核酸(DNA)の材料となる物質に似た構造を持っているため「核酸アナログ」と呼ばれています。

古い核酸アナログ製剤は、服用を続けるうちに「耐性ウイルス」といって、薬が効かないウイルスに変異することがあります。いしい内科・糖尿病クリニックでは、耐性ウイルスとなりにくい薬で治療いたします。核酸アナログはエンテカビルか、新規のテノホビル(商品名ベムリディ®)を処方します。

エンテカビル(先発名バラクルード®)TDF

エンテカビル錠は、B型肝炎ウイルスが増えるときに必要になるたんぱく質(HBV DNAポリメラーゼ)の働きをブロックします。

それによって、ウイルスが増えるのを抑えることができます。

1日1回1錠を空腹時に服用します。

利点:耐性株(薬が効かないウイルス)の出現率が低い

耐性株(薬が効かないウイルス)の出現率は低く、抗ウイルス作用も強い薬です。

テノホビル アラフェナミドフマル酸塩(商品名ベムリディ®)TAF

未治療例ではテノホビルが第一選択薬と考えています。

従来のテノホビルの改良型で、2017年に新しく登場したB型肝炎ウイルスの増殖を抑える薬です。

血液で分解されにくいとこから飲む量が少なくて済み、骨や腎臓への副作用リスクを減らせる利点があります。妊娠について、今までの薬より安全です。

1日1回1錠を服用します。

利点:耐性株(薬が効かないウイルス)はほとんど出ない

ベムリディは耐性株の出現率が極めて低く、抗ウイルス作用も強い薬です。

主な副作用:吐き気、疲労、頭痛、腹部膨満などが報告されています。
ご自分の判断で服用を中止しないでください。

ベムリディは自己判断で中止したり、量を加減したりすると、病気が悪化したり、薬が効きにくくなる恐れがあります。医師の指示通りに飲み続けることが重要です。

今では処方しなくなった核酸アナログ製剤

ラミブジン(先発名ゼフィックス®)LAM

欠点:耐性株(薬が効かないウイルス)が出現すること

ラミブジンはB型肝炎の抗ウイルス作用をもちますが、長期間使用を続けると、ラミブジンが効かないB型肝炎ウイルスが出現することが多く、その確率は、5年で約70%と報告されています。ラミブジンの効かないB型肝炎ウイルスをラミブジン耐性株といい、肝炎を悪化させる可能性があります。一方でラミブジンを中止するとB型肝炎ウイルスが再増殖して肝炎が悪化します。

ラミブジン耐性が出現した場合の対処法

ラミブジン耐性が出現した場合、エンテカビルとベムリディ®を併用して治療します。

テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(商品名テノゼット®)TDF

欠点:腎障害、低リン血症、骨密度低下となること

2014年に保険適応となったB型肝炎ウイルスの増殖を抑える薬です。
副作用は腎障害、低リン血症、骨密度低下などがあります。
現在では改良型のベムリディ®が登場したため、使わなくなりました。

アデホビル(商品名ヘプセラ®)ADV

欠点:腎障害

単独での抗ウイルス効果は弱く、ラミブジンまたはエンテカビル耐性株に対して、アデホビル10㎎の併用で処方されてきました。
腎障害の副作用があり、常用量が低く制限されています。また、低リン血症にも注意が必要です。
現在ではラミブジンまたはエンテカビルにアデホビルを併用するよりも、ベムリディ®を使用する方が有効かつ副作用が少ないので、アデホビルは使わなくなりました。

インターフェロン(注射薬)IFN

インターフェロンは、ウイルスの感染を受けた時などに体内で作られる蛋白質の一種で、抗ウイルス作用や免疫を高める作用があり、それによりB型肝炎ウイルスの活動を抑えます。

しかし、インターフェロン治療は発熱や倦怠感などの副作用が強い上に、治療効果も高くはない(20~40%)ため、いしい内科・糖尿病クリニックではインターフェロン(注射)による治療ではなく、核酸アナログ製剤(飲み薬)による治療を行います。

核酸アナログ製剤服用中の注意事項

B型肝炎ウイルスは血液や体液を介して感染します。核酸アナログ製剤を服用している間でもほかの人に感染する恐れがなくなるわけではありません。感染を広げないために具体的に以下のことに気をつけましょう。

  • 献血はしないでください。
  • 歯ブラシ、カミソリ、ピアスなど血液がついている可能性のあるものを他人と共用しないようにしましょう。
  • 血液や体液の付着したものは、むきだしにならないようにしっかり包んで捨てるか、流水でよく洗い流してください。
  • 外傷、皮膚炎、鼻血、月経血などはできる限り自分で手当てをしてください。
  • 他人の血液に触れるときはゴム手袋をつけてください。
  • コンドームを正しく使用してください。
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